
株式会社Datachain(本社:東京都港区、代表取締役:久田哲史、以下、Datachain)は、ソラミツ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:宮沢和正、以下、ソラミツ)と技術連携を開始しました。
今回の取り組みでは、The Linux FoundationのHyperledgerプロジェクトのうちの1つ、ソラミツが当初提供したHyperledger Irohaにおいて、Datachainが開発をリードするHyperledger Lab YUIを用いることで、CosmosのIBC(*1)によるインターオペラビリティを可能にし、Hyperledger Irohaで構築された異なるブロックチェーン上のデジタル通貨の同時交換(アトミックスワップ)を実現します。
Hyperledger Irohaは、カンボジア王国のCBDC(中央銀行デジタル通貨)「バコン」や、福島県会津大学のデジタル地域通貨「白虎」など、様々なデジタル通貨プロジェクトの基盤として国内外で活用されています。今後、そのようなデジタル通貨同士の交換などを目的に、実用化済みのプロジェクトへの応用を検討してまいります。
Datachain、ソラミツとの技術連携を開始
Datachainとソラミツは、ソラミツが当初提供したHyperledger Irohaにおいて、CosmosのIBCを用いたインターオペラビリティ実現のため、技術連携を開始しました。
今回の取り組みでは、Hyperledger Irohaで構築された異なる2つのブロックチェーンと各ブロックチェーン上のデジタル通貨(トークン)を用意し、IBCを用いて各ブロックチェーン上のデジタル通貨の同時交換を実現します。
技術的には、Hyperledger IrohaはEVM(Ethereum Virtual Machine)互換性を持つため、Interchain Foundationからの助成金によりDatachainが開発を進めるIBC-Solidity(IBCのSolidity実装)を利用します。その上で、Hyperledger IrohaにおけるICS-20(IBCにおけるトークン転送について定めている標準)のサポートや、Hyperledger Irohaのブロックチェーン間をつなぐRelayerの設計実装を行います。
なお、今回のHyperledger IrohaにおけるIBC対応は、Datachainが開発をリードするインターオペラビリティを実現するためのOSSプロジェクトであるHyperledger Lab YUIとして実装を行ってまいります。
ユースケース
ソラミツが開発をリードするHyperledger Irohaは、次のような国内外のデジタル通貨プロジェクトにおいて、既に実用化が進んでいます。
- カンボジア王国のCBDC「Bakong/バコン」
- 福島県会津大学のデジタル地域通貨「Byacco/白虎」
- 福島県磐梯町のデジタル商品券「磐梯町デジタルとくとく商品券」
上記の例のように、今後様々なデジタル通貨の流通が本格化すると、デジタル通貨同士の同時交換(PVP決済(*2))のニーズが生まれます。
Datachainとソラミツでは、そのような複数の異なるデジタル通貨によるPVP決済の実現を見据え、今回の取り組みを行ってまいります。
今後について
Datachainでは、Hyperledger Lab YUIを用いたHyperledger IrohaのIBCによるインターオペラビリティ実現後、ソラミツと共にHyperledger Irohaにおける具体的なユースケースへの応用を目指してまいります。
また、Hyperledger FabricやHyperledger Besuなど、その他のブロックチェーン基盤との相互接続についても、ユースケースへのニーズに応じて、検討してまいります。
Hyperledger Lab YUIについて
Hyperledger Lab YUIは、様々なブロックチェーン基盤においてIBCによるインターオペラビリティを実現するためのプロジェクトです。Datachainが開発をリードしており、Hyperledger LabとしてOSSで提供しています。
今回新たにサポートするHyperledger Irohaの他、Hyperledger Fabric、Hyperledger Besu、Cordaなどの主要なエンタープライズブロックチェーンに対応しています。また、Ethereumについても対応作業が進行しています。
Hyperledger Lab YUIの詳細については、以下のリンクをご覧ください。
https://github.com/hyperledger-labs/yui-docs